アクテイブシニアのリタイア後の楽しみ方(回顧録5) No. 38 入社当初の思い出

入社当初の思い出

メーデーの時の事件

会社に入るとすぐに、新入社員は全員、何も分からず労働組合に加盟させられました。

そのため4月1日のメーデーの日には、代々木公園に集合させられ、渋谷までデモ行進をすることになっていました。

東京出身の私は、町中をプラカードを持ってのデモ行進ははずかしく、知り合いに会うかもしれないと思い、デモには参加せず解散場所の渋谷に行き、打ち上げの飲み会にだけ参加しました。

それを見た組合の幹部から、「新入社員は全員参加なのに、なぜ来なかった」とえらく怒られ、「懲罰委員会に掛けるぞ」と言われました。

最近の代々木公園でのメーデーの風景

社内の組合には青年婦人部と言う組織があり、これは私が思うに、会社が社内結婚を推奨するための男女交際の場と考えておりました。

とにかく会社に入って周りの人の話を聞くと、社内結婚の人が圧倒的に多かったからです。

今では考えられませんが、この会社は女性は結婚すると辞めると言う、慣習がありました。

こんなことを言うと怒られてしまいますが、毎年若い女性が入社しており、結婚しない今の若者の時代と比べると、これも良かったのではないかと思います。

出社時の私服事件

私の勤務場所は研究所で、社員の皆さんは会社までネクタイに背広で出社して来て、ロッカールームで作業服に着替えて仕事をします。

私は臭い下水泥の固化試験に従事しており、背広にネクタイで行く必要ないと思い、ある日から私服で通いだしました。

すると誰かが本社にチクったようで、本社の上司から呼び出され、「お前何で背広を着てこない」と怒られました。

「普段は一日中研究所におり、作業服に着替えて仕事をしているので、会社の行き返りに、背広を着る必要が無いのではないのですか」と言うと。

上司は「家を出る時に近所の人から見られ、恥ずかしくないのか」と言われたので、「私は全く恥ずかしくありません」と言うと、「お前は何時までも学生気分が抜けないな」と言われました。

「学生は勉強するのが本分であり、私は研究所で勉強しながら働いております」と言うと、上司は最後に「勝手にしろ」と言われました。

私の同期の研究所の一人が、私を見習い私服で通いだすと、それから半年もすると多くの社員が私服で通いだしました。

当然本社に行くときは、私も背広にネクタイで行きました。

当時の研究所での仕事

私の部署は、普通のセメントでは固化が難しい、土や廃棄物などを固めるセメント(固化材)の開発でした。

メインは下水汚泥でしたが、お堀のヘドロや池に溜まったヘドロなども対象でした。

 

ある日、玉川大学構内の池に溜まったヘドロを取りに行くように上司から言われ、作業服にひしゃくを持って構内に入ると、あこがれの女子大学生から軽蔑の眼差し向けられました。

大学を出て一般道をビニール袋にヘドロを詰め担いでいると、前から来た子供連れの親子が慌てて道路の反対側に移動し、小学生の子供に「今からちゃんと勉強しないと、あの人たちみたいになっちゃうのよ。」と言っているのが聞こえ、思わず「私は大学院卒だ」と言いたくなりました。

 

そんな中、最悪なことが起きました。何と本社の営業部所から、大磯ロングビーチのトイレの糞を固めてくれとの依頼でした。

届いたのはビニール袋に入った、まだ形が残った糞でした。

さすがに私を含めチームのメンバーが全員怒り出し、こんな仕事人間のすることではないと大騒ぎでした。

それでも上司から言われ、試験をすることに成りました。

大きなポリバケツに糞を入れて、試料を均一にするためにハンドミキサーで混ぜるのです。

その試料を軽量し、固化材(特殊セメント)を所定量混ぜテストピースを作り3,7,28日養生し、強度試験をするのです。

結果は全く固まらず、この仕事は失注しました。

この時は、本当に会社を辞めようかと、真剣に考えました。

 

残業に関して

大学院では土を固める勉強をしてきたのに、入社当初は下水泥(糞)を固める研究を遣らされており、かなりヤケッパチニなっておりました。

それと一緒に働いている人たちに、工場から助っ人で来ている人がおり、「女房・子供のために働いており、残業で稼ぐんだ」と言う人たちが居りました。

私は仕事を定時で終わらせて、憂さ晴らしに夜は遊びに行きたかったのです。

そのため人の倍の仕事をこなし(倍速マンと言われておりました)、残業せずに帰宅しておりました。

次の日の仕事の段取りは、前日の夕方に打合せをお願いし、他人より1時間早く出社し、定時で仕事を終わらせ退社していました。

工場からの助っ人の人からは、残業が無くなって困ると言われたので、その分の仕事は残しておきました。

しばらくすると本社の上司から呼び出され、「君は何で仕事をしないんだね」と言われました。

私は「仕事は人の倍はしています。私のチームメンバーを呼んでに聞いてください」と答えました。メンバーからは、「彼は良く仕事をしている」と言ってくれました。

本社の上司曰く、「本社から見ると残業もしておらず、仕事をサボっているように見えるぞ。君のために言ってあげているんだぞ」と言われました。私は「上司が困るのなら考えますが、私のためなら構いません」と言いました。

またまた上司からは「勝手にしろ。」と言われてしましました。

 

今から思うと私はとんでも新入社員で、よく首にならなかったと、自分ながら驚いています。

中締め5回目

今までの自分の足跡を書き出すと、終わりが無くなりそうです。

それと書き出すと、昔のことを色々思い出すので、自分ながら面白くなってきます。

もしお時間がある人がいらしたら、是非試されたらと思います。

またまた次回に続く、

 

 

 

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