今回のブログは前回に引き続き、二番目の海外赴任地のシンガポールでの思い出について書こうと思います。
1.シンガポール赴任の経緯
私は1991年から1997年まで6年間インドネシアに駐在しました。
その後日本の本社に戻り、1998年に青天の霹靂かライバル会社との大型合併を経験しました。
銀行などでもそうですが、弊社も対等合併だったので、もう既に20年以上経った今でも、社内では旧会社の派閥が歴然と残っています。
合併後、私はある部門の課長を仰せつかり、実績も上げ順風漫歩でしたが、ある時上司からシンガポールへ行ってくれと言われました。
ポジションは、シンガポール駐在員事務所の所長と言われました。
シンガポールへ行ってみると、合併相手の年上の所長が居り、お前なんか呼んだ覚えはないと言った感じでした。
しばらく我慢すれば、所長が変わると思っていましたが、赴任して2週間ぐらいすると前の日本の上司から電話があり、「新たに動きだしたプロジェクトがあり、今の所長は変えられない。大変申し訳ない」との連絡がありました。
2.シンガポールでの生活開始
シンガポールは、インドネシアのジャカルタと比較すると、治安が良く夜遅くまで出歩けました。
食べることに関しては、世界各国のレストランがあり、値段もリーズナブルでとにかく美味しかったです。
そんなこともあり、日本から家族を呼び寄せ、子供たちは日本人学校に通いだし、快適なシンガポール生活を送ることが出来ました。
ただシンガポールは面積で言うと、東京の23区の1.15倍程度しかなく、町の中心から30分も車で走ると海にぶつかり、隣国のマレーシアとは二本の橋で繋がっています。
来てから一か月も居ると、観光するところは見尽くしてしまします。
当時行った観光地は、
①ナイトサファリ(夜の動物園)
あの当時は、夜の動物園はシンガポールしか無く、結構楽しめました。
②Bird Park
日本との違いは、鳥にえさの虫の幼虫を売っており、手から直接餌をあげれれることです。
③セントーサ島
当時もシンガポール一番のテーマパークで、ゆっくり見て回ると、一日では見切れない感じでした。
当時からある、世界最大の水族館(シーアクアリウム)はかなり見ごたえがありました。
私はまだ行ったことはありませんが、今ではユニバーサルスタジオがセントーサ島にあります。
今ではシンガポール内に2か所のカジノ一つがあります。シンガポール人で行く人はほとんどおらず、金持ちの中国人や華僑系インドネシア人がほとんどと聞きます。
今日本では、大阪や横浜でカジノを作ったらと言う話がありますが、私が思うにまったく意味が無いと思います。
日本に作っても、出来た当初は見に行く人は居るかもしれませんが、その後は行く日本人は皆無だと思います。
私も旅行で行った、マレーシア、オーストラリア、シンガポールでカジノへ行ったことがありますが、着ていく服もドレスコードがあり、Tシャツに短パンでは入れませんし、パスポートなどの身分証明が必要でした。
日本のカジノと言えばパチンコ屋だと思いますが、家の近所でどんな格好でも入れる訳で、身分証明書の提示などまったく有りません。
なお今のシンガポールは私がいたころとは違い、多くのアトラクションがあり、当時小学生だった長男のサッカーの練習場でした、マリーナサウス呼ばれていた空き地には、今はマリーナベイサンズやガーデンズ・ベイ・ザ・ベイと言った観光の拠点が作られています。
屋上に上がるとプールやレストランがあり、地下にはカジノがある
人口の巨大なスーパーツリーのシンボルがある、広大な庭園で一見の価値あり
3.シンガポールでの仕事
先に書きましたが、先任の所長は「お前など呼んだ覚えなど無い」と言っており、この国で一から自分で仕事を見つけなければなりませんでした。
インドネシアでの経験から、その国が困っていることが仕事に繋がると思い、シンガポールの役所の中でも力のある、環境庁(National Environment Agency)へ行き、「この国で困っていることは何ですか」と聞きに行きました。
一番大きな問題(2000年当時):ごみを焼いた焼却灰
ごみ焼却場から出て来る灰の処理で1日に7,100ton/day、年間252万ton/yearで、沖のSemakau島に埋め立てていましたが、近い将来満杯になり新しい埋め立て地を探さなければなりません。
シンガポールと言う国は、世界的に知名度があり大きな国のように思えますが小さな国で、そのため新しい埋め立て地を探すのは至難の業でした
この解決策として私が提案したのは、ゴミ焼却灰を原料の一部として製造するセメントです。シンガポールには当然セメント工場は無く全量輸入です。
日本では「エコセメント」と言う名前で、技術を完成しております。
元々私はセメント会社の人間ですから、日本からこの分野の専門家を呼び、セミナーを開催しました。シンガポールの多くの役人が参加し、大絶賛かと思えたのですが、ゴミの引き取り価格の話になったとたん、ドン引きでした。
現在のSemakau島への処理費が1ton当たり5000円程度に対し、エコセメント工場での焼却灰の引き取り費が30,000円程度になってしまいます。
日本でもよくある話ですが、シンガポールの役人も自分がいる間は、まだ安く捨てられるので、問題を先送りにしたわけです。
そんなことがあり、ゴミ焼却灰の問題は解決出来ませんでした。
4.中締め
まだ話は途中ですが、ブログが長くなってしまいましたので、シンガポールでの二番目の大問題に関しては、次回に書かせてもらいます。
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